リワークデイケア参加~現在に至る経過
(考え方の変化、具体的取り組み)
休職し約2ヶ月が経過したころ、病院スタッフの方からリワーク(※1)の説明を受けました。このころには少し体が動かせるようになっており、早く復職しなくてはと焦りと不安を感じていました。その不安を感じながら上司と勤労担当者へ相談したところ、「今はリワークが主流になりつつあり、焦らずしっかり療養するためにも参加してきてほしい。会社としてはできる限りの協力はする」と言われ参加を決意し、2024年3月1日より通所を開始。

しかし、通所を決意したものの団体行動が苦手な自分。続けられるのかという不安はありましたし、本心は行きたくなかったです。正直、早く卒業することしか考えていませんでした。
この焦りは、復職プログラムでも顕著になっていました。通所早々の1週間の振り返り(※2)で、「どうしたら早く会社との距離を縮められますか?」と質問しました。その質問は見透かされていたようで、メンバーの方から「あなたは交通事故にあったんだよ」と言われました。何を言ってるんだろうと考えていると、「交通事故にあって入院したの。だから、会社に行きたくても行く事ができないの。あなたの今できる仕事は怪我を治すことなんだよ」と。ハッと気が付かされました。さらに「会社も怪我が治ることを祈っているし、あなたがやっていた仕事は会社の今いる方たちがやるの。そこは会社が考えることだから考えなくていいんだよ」と。
この言葉はリワークを続けるうえでモチベーションとなり、自分はここに居ていいんだと落ち着く事ができました。

プログラムは自分の苦手なものが多かったですが、メンバーの方々の思考や行動、なによりシェアリング(考えの共有)がとても参考になりました。
人前で発表するのは苦手だと自負していました。が、卒業されたメンバーさんのプレゼンに魅了され、それを意識。もともと気が短く、発動すると早口になり、思っていることの半分も伝えられないという自覚もあったため、これも卒業したメンバーさんが実践していた「ゆっくり話す」ことを心掛けました。PCペアワーク(※3)は絶好の練習の場でした。おかげさまで、メンバーの方に「その話し方好きですよ」と言われることもありました。幼少より親に褒めてもらった記憶がなく、大人になってからは褒められた際にどうリアクションしていいかとまどってしまう自分でしたが、この時は素直に嬉しかったです。興味・関心の狭さと偏りがあり無関心になりがちな自分でしたが、ペアになった方と作った資料は興味・関心を持つ事ができ安心して発表することができました。
また、映画トレーニング(※4)では、同じ事柄について「自分の感じたこと」と「皆さんの感じたこと」をシェアリングすることで、幅広い感覚を得られるようになりました。トラウマでもあった「自分の感じたことを話す」ということも、この場では正直に伝えられたので気持ちが楽でした。
流れの早い中での作業や判断も苦手であったため、RPC(※5)には苦戦しました。リーダーには特性から厳しいとわかっていたため、アイデア出しに集中しました。特に3週目の発表資料作りはきつかったですが、メンバーの方々に助けていただき完了することができました。成果として得られる喜びもここでより学ぶ事ができ、苦手だった団体行動の意識も軽減されました。

そして、決定的だったのは内省(※6)と心理教育(※7)でした。これも卒業したメンバーの方が行っていた、「なぜ、なぜ、なぜ」法?です。内省でコレを徹底的に深堀していきました。そして、心理教育のストレスマネジメントとアサーションで「自己肯定感が悲しいほどに低い」、というより皆無ということに気が付きました。自分は完璧主義的なところがあり、自分のミスを許せないというところがあったため、相手のミスも気になってしまいます。さらにそのミスを伝えたら相手を傷つけてしまうのではないかと思ってしまい、最終的には伝えて気分が悪くなるのなら自分でやった方が速いと考えてしまいます。そして、自己嫌悪に陥るという偏った考えを持っていました。
そうではなく、まずは、自分の失敗したことより出来たところを褒め、「また頑張ればいいかな」くらいの感覚を持ち、今の悪いところも良いところもある自分を認め尊重します。そうすれば、他の人に対しても相手のよい面へ目を向けられ、考えや意志を素直に受入れ尊重できるのではと感じました。また、ネガティブな思い込みを手放せるようになればどれだけ楽だろうかと思いましたし、他の人と自分を比較してはいけないと気がつきました。そして、自己肯定感を高めることで全体的に良い方向に進むのではと考えました。

とりあえず私はできなかったことをメモとして書き留めました。まずは、できたところまでの自分を褒め、できなかった部分も受け止めました。「ココはやっぱり苦手だな~、でも次はもう少しうまくやれるように頑張ってみよう」的な感じです。そして、同じシチュエーションがあった場合や、しばらくたった時にそのメモを振り返ります。「よしよし、前回はココまでしかできなかったけど、今日はココまでできたな」と。ここで重要なのは100%目指さないことで、最初が50%だったら次は60%でもいいという気持ちです。 それでも考え方を変えることができない場合もあります。その時は第三者となってみました。もし相手が悩んでいたら、「自分はどうアドバイスをするか?」、もしかしたら第三者の立場になることで別の思考に行きつくのではと考えました。「なんでそんなこと考えているんだろう」とか思っていると、「ん、なんでこんなこと書いたのだろう?大した問題じゃないよなコレ」ということに気が付いたこともありました。
この気持ちが持てるようになると、心に余裕ができたのか自然と相手に優しく対応できるようになってきました。復職早々に他部署の方から「久しぶり、あまり無理するなよ」と声をかけてもらった時の返しで、「判らないことがたくさんあるので、これからは助けて下さい」と自然に言っていました。相手は、「おう、任せとけ!」と言ってくれました。今までの自分では考えられない発言。自分でも柔らかくなったと驚いていますし、一番近くで見ている妻もそう言っています。ちなみに職場でも「雰囲気変わったね」と言われました。
私はこの自己肯定感を高めるということに気付く事ができ、心の余裕を得ることができたと思っています。これからも永遠の課題になると思いますが、特性ともうまく付き合いながら取り組んでいきたいと思います。

(※1)リワークデイケア:うつ病で休職中の方の職場復帰と再発予防を目的としたデイケアプログラム。復職前の生活リズムを整える、集中力を回復させる、自信をつけるなど様々なプログラムを段階に応じて取り組んでいく。スタッフの方も個人担当制で、職場復帰までサポートしてくれる。筆者が通っていた際は、参加者は老若男女20人ほどで様々な職種の方が参加。
(※2)1週間の振り返り:週刊活動記録表をもとに1週間を振り返ります。その後はメンバー間でのシェアリング(考えの共有)を行う。
(※3)パソコンペアワーク:集中力の維持・向上に繋がり、共同作業を通じて対人コミュニケーションの練習をすることにより、自分の対人パターンに気づくきっかけになる。
(※4)映画トレーニング:映画の中の登場人物の心情を想像し、それについてメンバーと意見交換を行うことを通じて、他者との共通点や相違点を発見し、自分自身の関係理解の幅を広げることを目指す。
(※5)ロールプレイングカンパニー(RPC):職場に近い関係性の中で、作業に通じて生じた「達成感」「喜び」「不安」「緊張」「怒り」などの感情、自分の物事の捉え方や考え方、行動の傾向、それらが自身の体調不良にどのように影響を及ぼしていたのかをとらえ、解消・解決・緩和・改善するための自己処理能力を獲得するプラグラム。
(※6)内省の時間:自分の考えや行動を客観的に捉え深くかえりみることでそれらの対処方法を考える時間。内容は仕事や生活、対人関係、家族や身近な方との関りなど様々。
※7:心理教育:ストレスマネジメント講座やアサーション、自律訓練法、WARP(元気行動回復プラン)などを学ぶ。